Designer Interview vol.09 ODAKHA デザイナー小髙 真理さん

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2023.11.08
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「ODAKHA」のデザイナー小髙真理さんに服作りへのこだわりや想いを語っていただきました。

日本のニットの面白さを伝えたい

——国内生産の精緻なニットウェアに特化しているODAKHAですが、小髙さんとニットとの出会いは?

 

文化ファッション大学院大学にニットの自動編機を使って自由に創作できるという授業があって、その授業がきっかけでニットに興味を持ちました。

卒業後デザイナーブランドでの経験を積み、その後ニットのOEMの会社に入り、改めてニットをイチから学びました。そこで出会った方々と、今も一緒にものづくりをしています。

 

 

——もともと小髙さんが手掛けていた「マラミュート(malamute)」が、2023年にブランド名を「オダカ(ODAKHA)」に。ブランド名を変更した理由というのはありますか?

 

2022年にパリで展示会をしたのがきっかけです。ブランドとして初めて海外で展示会を行ったことで、海外のバイヤーさんからニットアイテムに対して高い評価をいただいて、日本のニットの面白さ、ジャパンクオリティの高さと魅力をもっと多くの人に感じてほしいと思いました。

メイドインジャパンのニットのよさってどのように伝えていけるのだろうと、帰国してスタッフと話し合い、ブランド名を変更することにしました。自分の苗字にすることで「日本発のブランド」としてよりわかりやすく認知してもらえるのではないかと考えました。

ユーモアあふれる表現が特徴

——日本のニットの特徴は?

 

日本のニットは芸が細かくて面白いんです。海外のニットはシンプルで上質なものが多い一方で、日本のニットアイテムは柄や糸の選定もさまざま。ユーモアの効いたデザイン性の高いものが多いですし、自動編機でニットを編んでいくときのプログラミングが本当に緻密。テクニックも素晴らしいです。そのニット表現の面白さを発展させて、多くの人に魅力を知っていただけたらと思っています。

 

——ODAKHAのものづくりのこだわりは?

 

これまでどのシーズンもニッターさんと一緒に取り組んできたので、それはこれからも続けていきたいと思っています。

ニットは本当に表現の幅が広くて、自分の好きなテクスチャーをつくれるというのが面白いです。ローゲージからハイゲージといった編みの密度やデザインのコンビネーションだったり……テクスチャーの変化が面白いですよね、織だとここまで自由に表現はできないので。ニットの面白さに限界までチャレンジする、という思いをこれからもずっと大切にしていきたいと思っています。

クレイジーニットは、ODAKHAのシグネチャーアイテム。編み方の複雑なパターンで構成。「ニッターさんが細かいプログラミングをしてくれて初めて形になります」

 

 

2023年秋冬コレクションは、サイ・トゥオンブリーというアーティストからインスピレーションを受けています。いろいろな色から「赤」ができているというのが面白いと思って 赤をテーマにしたコレクションをつくりました。

 

——ブランドとしてのサステナブルな取り組みについて教えてください。

 

リサイクル素材はだいぶ前から扱っているのですが、以前はその素材感が本来のリサイクル糸より強度が弱かったり、安定していないものでした。コロナ禍以降はだんだんとそれが改善されてきて、リサイクル糸の選択肢が広がった印象があります。


やはりお洋服をつくるうえでは長く着ていただきたいですし、長く着られること自体がサステナブルなことだと思うので、素材感が良く、ピリング(繊維同士が擦れた毛羽立ちや毛玉)が起きにくいものを届けたいと考えています。


2022年には糸をほどき直して異なるアイテムに編み替える「リボーンプロジェクト(Re:born Project)」もスタートさせました。

ホールガーメントという継ぎ目がない編み立てのものは、マラミュートの初期からやっている手法なのですが、一本の糸でできているためほどくことができます。お客様がお持ちのマラミュートのホールガーメント商品の糸をほどいて、マフラーやバッグに編み直すのがリボーンプロジェクトです。また公式ホームページ上に修理の窓口を設置し、ニットのリペアサービスも行っています。

ニットの面白さ、着心地の良さを感じてほしい

——AnotherADdressでは、小髙さんが手掛けるニットアイテムのお取り扱いは今シーズンが初となります。

 

服を購入する際、通常は試着のみですが、レンタルサービスだと1日来てみた着心地がわかるのがいいですよね。ニットは重たいイメージがありますが、素材や編み方によって軽くて体にフィットするものもたくさんありますし、ODAKHAでは次にアクションをしやすいようなアイテムであることを大切にしています。実際に着てみていただいて、ニットのイメージを変えるきっかけになったら嬉しいです。

 

——おすすめのアイテムや着こなしはありますか?

 

今シーズンの赤のコレクションもぜひ試していただきたいです。赤ってなかなか難しいカラーと思われがちかもしれないですが、ニットは非常に使い勝手がいいアイテム。デニムに合わせてカジュアルに使っていただいてもいいですし、ボトムとトップスともにニットで合わせていただくとドレスライクな着こなしにもなります。重たくなりがちな冬のコーディネートにぜひ取り入れてほしいです。 

 

 

>ブランドプロフィール  ODAKHA

「強さと柔らかさを併せもつ現代女性のためのデイリーウェア」をコンセプトに、国内の職人と生み出す精緻なニットコレクションで、新しいエレガンスを提案。2023年秋冬コレクションよりブランド名を「マラミュート」から「オダカ」に変更。


公式サイト (外部サイトへリンクします)

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