着るレッスン 最終回 「ドラマスタイリングで考えるTPO」

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2024.10.26
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着る学校」校長の西ゆり子です。前回はドラマスタイリングを紹介しました。最終回となる今回は、苦手にしている人が多いTPOとドレスコードについて説明します。

ドレスコードは「縛り」ではありません

披露宴やご葬儀、同窓会、日常の仕事シーンでもプレゼンやクライアントとの会食など、TPOやドレスコードが存在する場面は、確かにあります。そして、多くの方がそれを「縛り」と捉え、「失礼にならないように」「場違いにならないように」と消去法でコーデを選んでいるように思います。それでは着ることが憂鬱になってしまいますよね。

ファッションを、一枚の絵のように「景色」で捉えよう

コーデを考える際に大切なのは、ファッションを、一枚の絵のように「景色」で捉えることです。以前、若手女社長が深夜のオフィスで残業しているシーンを作った時、台本を読んで、この人は腕まくりをしてシンプルな黄色のセーターを着ていると思いました。自然と映像が浮かんだのです。深夜のシーンでしたが、映像的にあまり暗いイメージにはしたくなかったので、何か一つ色がほしい。ジャケットの下に黄色のセーターを着させてポイントにしました。

 

TPOは制約ではなく、おしゃれを楽しむ条件です。これからは、行く場所や時間帯、天気、会う相手などをありありと思い浮かべ、そのシーンの中にどんな装いの自分がいると「素敵な絵」になるかと考えながら、コーデを選ぶようにしてください。

ドレスコードのキーワード「コンサバ」「エッジ」「華やかさ」

ドレスコードは、3つのキーワードで考えると良いでしょう。1つは、コンサバティブ。「4つのバランス」で学んだような美しい着こなしができているか。2つ目は「エッジ」。自分のためのおしゃれ、ワクワクするところがあるか。3つ目は、相手のためのおしゃれ「華やかさ」。出会った瞬間、相手が思わず笑顔になるような華やかな装いになっているか。服を着たら、姿見の前でこの3つのキーワードを思い出し、自分の装いをジャッジしてみてください。これがうまくできるようになると、おしゃれ上級者です。

 

心構えから始まり、色、素材、バランスなどなど、「着る基礎」を教えてきましたが、いかがでしたか。おしゃれに自信がなくなったり、迷子になってしまったら、最初から見直してみてください。これからも「好きな服」を着て、あなたのファッションで周りの人を幸せにしてください。おしゃれを楽しみましょう!

特別企画 もしもAADにスタイリストがセレクトショップを作ったら

「着る学校」協力のもと、おすすめしたい服を提案してもらいました。

スタイリスト西ゆり子セレクション

「おしゃれは『Simple is Best』だと思っているので、ベーシックなデザインでフリルやリボンといった飾りがない服が好き。どう着こなそうかと、おしゃれ心が刺激された服を集めました。チャレンジしてみて。着こなしたら、すごくかっこいいよ!」

 

西ゆり子/東京生まれ。74年スタイリストとして独立。テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在。200作品以上のドラマに関わり、様々なヒロインの衣装も手がけた。

 

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スタイリスト桐原三惠子セレクション

「周りの人がえっ!と振り返るような、さりげなく気を引くコーデにしたいと思い、色遊びだったり、袖口や裾にフリルがあったり、割とデザイン性ある服を選びました。シンプルの中にちょいと個性をプラスできる服。自分らしく楽しんでね」

 

桐原三惠子/東京生まれ。大手銀行員、地方テレビ局のレポーターを経て、スタイリストに。広告を中心に活躍し、女性らしいエレガントなコーディネートに定評がある。

 

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着る学校:https://www.stylingschool.org/

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